The Way / Steve Lacy   



  時代はスティーヴ・レイシーの絶頂期とも言える1979年のスイスでのライヴ。スティーヴ・ポッツらいつものクインテットのメンバーで、レイシーの魅力的なアドリブが満喫できる愉しみなフリー・ジャズ。新たにジャケットを変え、2004年に発売しています。なお、ブライオン・ガイシン作曲の〈ドリームス〉以外はレイシーのオリジナルです。

Disc1の2曲目〈ブリンクス〉、レイシーのソプラノ・サックスとポッツのアルト・サックスがテンポ良く、小気味良くテーマを奏でていく。ポッツはフリーなリズムに乗って、エネルギッシュなアルトを吹ききっている。レイシーの軽快なソロが実に爽やかに響く、ケント・カーターのベースは豊かな低音が冴えわたるプレイを展開している。

Disc1の4曲目〈ラップス〉は、切れ味鋭いイレーネ・アレビのチェロから始まり、レイシー、ポッツの2管ソプラノ・サックスがテーマを奏でる。レイシーのソロは凄まじく、低音でブルブル言う音、高音でキーキー言う音など豊富な色彩感を示す素晴らしいプレイを披露。ポッツのソプラノ・サックスはプルパラという音などを発していき、隅から隅まで生き生きとしたアグレッシブな演奏を繰り広げています。

Disc1の5曲目〈ドリームス〉は、澄み切ったソプラノ・サックス、波音たてるアルト・サックス、華麗なヴァイオリンの演奏に、途中アレビの歌が入るメロディー。アレビのヴァイオリンはどことなく悲しく聴こえ、レイシーは高音をひたすら延ばし、アルトのポッツはポッポッという彼特有の音を発している。

Disc2の2曲目タイトル曲〈ザ・ウェイ〉、ゆっくりとしたテンポのアレビの歌から入ります。アルトのポッツは独特の野太い音色、バイブレーション、どこまでも自由奔放に冴えわたる。アレビのヴァイオリンは伸びやかな響き、カーターも濃厚なアルコでプレイ、レイシーはテーマのみの演奏となっています。
youtube.com/watch?v=d1EdvE3uV4E

Disc2の5曲目〈ザ・ブレス〉、歌入りの威勢のいいテーマで始まり、レイシーはスリリングなアドリブの連続、次々湧き出るフレーズを吹きまくり、これぞレイシーの世界とも言える高度なテクニックを擁したプレイ。アルトのポッツは迫力ある豪快なソロを繰り広げています。



Disc2の7曲目〈スイス・ダック〉、軽やかに歯切れのいいソプラノ・サックスのテーマが流れる。レイシーは高音から低音までまんべんなくアドリブをプレイ、ポッツは低く太く厚いアルト・サックスのブロウを展開します。 

The Wayの商品詳細ページ



   

 Recorded. January 23, 1979. Hat Hut. 

 Steve Lacy soprano sax
 Steve Potts 
alto sax, soprano sax 
 Irène Aebi 
cello, violin, voice
 Kent Carter 
bass
 Oliver Johnson 
drums

 Disc1
 1. Stamps 5:46
 2. Blinks 10:45
 3. Troubles 9:59
 4. Raps 11:31
 5. Dreams 9:17
 Disc2
 1. Existence 8:40
 2. The Way 9:56
 3. Bone 7:44
 4. Name 12:57
 5. The Breath 12:00
 6. Life On It's Way 11:05
 7. Swiss Duck 5:52